ある時、ばあちゃんのお兄さんが見舞いに来てくれはった。
兄さんは、ばあちゃんより10歳上。
でも、口も達者ですこぶる元気。
この日のばあちゃんは、本当に認知症なんて全くなく、単に骨折して寝たきりになってるだけの人だったのね。
兄さんとの昔話にも花が咲いて、そこに姉さんも加わって多いに盛り上がってた。
そんな時に兄さんが、「今どんな思いでいる?」なんて聞いたんだよね。
そしたらばあちゃん、何て言ったと思う?
「私はこうなってしまったけど、この子ら二人(つまり僕とうちの人)によくしてもらってるし、幸せだよ」って。
兄さんはそれ聞いて涙ながらに「そうかそうか」と手を握ってるし。
うちの人も、それを聞いて涙ぐんでるし。
涙腺の弱い僕は、もっとこらえるのが大変だったくらいで。
でも正直、この時初めて施設にショートステイで何日か預け、あとは家で面倒を見るという、今のスタイルで間違ってなかったんだなって、つくづく実感出来たの。
無理にずっと家で面倒を見なくても、ちゃんとわかってくれてるって、本当に嬉しい言葉だった。
春
2 年前